Midjourney High Motion についてこの記事で解説していきます。
Midjourney High Motion とは?
Midjourneyには、生成する動画の動きの大きさを調整する機能があります。その中でも「High Motion」は、被写体やカメラワークにダイナミックで大きな動きをつけたい場合に最適なモードです。
静的な表現を得意とする「Low Motion」とは対照的に、映像全体で躍動感を表現したいときに非常に強力なツールとなります。
High Motionはどんな動画作成に向いている?
High Motionは、その名の通り「大きな動き」を表現したいシーンで真価を発揮します。
適しているシーンの例 | 具体的なイメージ |
アクションシーン | キャラクターが走る、ジャンプする、戦うといった激しい動き |
スポーツ | サッカー選手がシュートを放つ瞬間や、ダンサーが踊る様子 |
乗り物 | 車が疾走するシーンや、飛行機が空を飛ぶ場面 |
自然現象 | 荒れ狂う波や、激しく降る雨、風に揺れる木々 |
このように、被写体とカメラの両方を大きく動かして、視聴者の目を引くようなインパクトのある映像を作りたい場合に最適です。
High Motionの基本的な使い方
High Motionの使い方は非常にシンプルです。基本的には、プロンプト(指示文)の末尾に特定のパラメータを追加するだけです。
1. プロンプトを作成する
まず、あなたが作りたい動画の内容を説明するプロンプトを作成します。例えば、「a man running through the forest(森の中を走る男性)」のような形です。
2. High Motionのパラメータを追加する
作成したプロンプトの後ろに、以下のパラメータを追加します。
--v 6.0 --style raw --motion high
--v 6.0
: Midjourneyのバージョン6を指定します。--style raw
: よりリアルで写真のようなスタイルを指定します。--motion high
: 動きのレベルを「高」に設定します。これがHigh Motionの本体です。
プロンプト全体では、以下のようになります。
a man running through the forest --v 6.0 --style raw --motion high
これで、Midjourneyは「森の中を走る男性」を、大きな動きでダイナミックに表現した動画を生成してくれます。
【重要】High Motionを使いこなすための3つのコツ
High Motionは非常に強力な機能ですが、ただ使うだけでは意図した通りの動画にならないことがあります。特に、動きが大きすぎるあまり、映像が不自然に崩れてしまう現象が起こりがちです。
しかし、いくつかのコツを押さえるだけで、この問題を回避し、High Motionを自在に操れるようになります。
注意点:動きが破綻する「ハルシネーション」
High Motionを使っていると、「ハルシネーション」と呼ばれる現象が発生することがあります。これは、AIが動きを過剰に解釈してしまい、非現実的でグニャグニャとした不自然な動きが生まれてしまう現象です。
この主な原因は、「AIに指示するアクションの量が、生成する動画の長さに対して多すぎること」です。
例えば、Midjourneyで生成される基本的な動画はわずか数秒です。その短い時間の中に、「ジャンプして、回転して、着地して、さらにポーズを決める」といった、あまりにも多くの複雑なアクションを詰め込もうとすると、AIが混乱してしまい、結果的に映像が破綻してしまうのです。
コツ①:アクションの指示量を「動画の長さ」に合わせる
最も重要なのは、生成する動画の長さで表現しきれるだけの、適切な量のアクションを指示することです。
まずは一度、作りたいイメージでプロンプトを入力し、動画を生成してみてください。もし、生成された動画が不自然に崩れてしまった場合は、それは「アクションの指示量が多すぎる」というサインです。
その場合は、プロンプトを修正し、アクションを少しシンプルにしてみましょう。例えば、「走ってジャンプする」で破綻したなら、まずは「走る」だけにしてみる、といった調整です。この試行錯誤を繰り返すことで、動画の長さに見合った適切なアクション量の感覚が掴めてきます。
コツ②:アクションを「分割」して指示する
複数のアクションを組み合わせたい場合は、一度にすべてを指示するのではなく、アクションを分割して段階的に生成するのが非常に有効なテクニックです。
Midjourneyには、生成した動画の続きをさらに生成する「Extend(延長)」という機能があります。これを活用しましょう。
【具体的な手順】 やりたい動きが「Aをして、次にBをする」だとします。
- 最初の動画を生成する: まずは「Aをする」というプロンプトで動画を生成します。
- Extend機能で延長する: 生成された動画に対してExtend機能を使い、次のプロンプトで「Bをする」と指示します。
このように、一連の動作を細かく分解し、Extend機能を使いながら少しずつ繋げていくことで、AIが混乱することなく、より長く複雑な動きの動画を作成できます。これはHigh Motionを使いこなす上で非常に強力なテクニックなので、ぜひ試してみてください。
コツ③:シンプルなプロンプトから試す
最初から複雑なプロンプトで挑戦すると、どこが破綻の原因なのか特定しにくくなります。まずは「歩く」「振り向く」といった単純な動作から始めてみましょう。
シンプルなプロンプトで成功体験を積むことで、High Motionがどのような指示にどう反応するのかという「クセ」のようなものを理解できます。そこから徐々に動きを複雑にしていくのが、上達への一番の近道です。
まとめ
MidjourneyのHigh Motionは、映像にダイナミックな生命感を吹き込むための強力な機能です。
ポイント | 詳細 |
High Motionとは | 被写体やカメラに大きな動きをつけるモード |
使い方 | プロンプトに --motion high を追加する |
重要なコツ | アクションの指示量を動画の長さに合わせる |
応用テクニック | Extend機能を使い、アクションを分割して指示する |
最初は動きが破綻してしまうこともあるかもしれませんが、今回ご紹介した「指示量の調整」と「アクションの分割」という2つの大きなポイントを意識すれば、誰でもHigh Motionを使いこなせるようになります。
この記事を参考に、あなたも躍動感あふれる魅力的な動画作成に挑戦してみてください。

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