Veo3 I2V (Image-to-Video)は、1枚または複数枚の画像から高品質な動画を生成する技術です。
本記事では、その中核機能である「Keyframe機能」に焦点を当て、誰でも簡単に画像から魅力的な動画コンテンツを制作できる2つの方法を、動画の内容に基づき徹底解説します。
「Keyframe機能」とは?
「Keyframe機能」は、動画の「キーとなるフレーム(静止画)」を指定することで、全体の動きや変化をAIにコントロールさせる機能です。これにより、ユーザーはより意図に沿った動画制作が可能になります。Veo3のI2VにおけるKeyframe機能には、主に以下の2つの使い方があります。
機能 | 概要 | 主な用途 |
① 開始フレームのみ指定 | 1枚の画像を動画の「開始地点」として設定し、そこから続く動きをAIに生成させる。 | 静止画のキャラクターを動かす、特定の風景から始まるストーリーを作るなど。 |
② 開始・終了フレームを指定 | 2枚の画像を動画の「開始地点」と「終了地点」に設定し、その間の変化をAIに補完・生成させる。 | キャラクターの変身、オブジェクトのモーフィング、劇的なシーン転換など。 |
(1)開始フレームで命を吹き込む!キャラクターを動かす方法
まず、1枚の画像から動画を生成する方法です。お気に入りのイラストや写真のキャラクターが、まるで生きているかのように動き出す様子は圧巻です。
作り方
- Veo 3の生成モードを「フレームから動画(I2V)」に切り替えます。
- 動画の開始点としたい画像をアップロード、または生成します。可愛らしいオレンジ色のモンスターの画像を使用します。
- 画像に対して、どのような動きをさせたいかをテキストプロンプトで指示します。例として「
a cute monster is dancing
(かわいいモンスターが踊っている)」と入力します。 - 生成を実行すると、指定したモンスターがプロンプト通りにダンスする8秒間の動画が完成します。
ポイント
この機能の驚くべき点は、単にキャラクターが動くだけではないことです。Veo 3は文脈を深く理解し、ダンスに合わせて「トントン」という足音の効果音まで自動で付与します。これは、Veo 3のI2Vが、映像だけでなく音響面においても高いレベルの生成能力を持っています。プロンプトで指示していない要素まで補完してくれるため、より没入感のあるコンテンツを手軽に制作できます。
(2)開始・終了フレームで物語を創る!劇的な変化を生む方法
次に、2枚の画像を使って、より複雑でストーリー性のある動画を生成する方法です。このテクニックは、特にショート動画などで見られる「変身」や「モーフィング」といった演出に最適です。
作り方
- 同様に「フレームから動画(I2V)」モードを選択します。
- 「開始フレーム」に1枚目の画像(例:大理石の球体)を、「終了フレーム」に2枚目の画像(例:大理石の剣士の彫刻)を設定します。
- プロンプトで、開始画像から終了画像への変化を指示します。例として「
A block of marble turns into a sword God sculpture
(大理石の塊が剣の神の彫刻に変わる)」と入力します。 - 生成を実行します。
ポイント
この方法の真価は、Veo 3の高度な解釈能力にあります。生成された動画では、球体がただ徐々に剣士の形に変わるのではなく、「球体が内側から砕け散り、中から剣士が姿を現す」という、非常にダイナミックで創造的な演出が加えられました。
これは、Veo3 I2V が、2つの画像の関連性を読み解き、その変化に最もふさわしい「物語」を自ら構築していることを意味します。かつてショート動画で流行したような、人物が妖怪や別キャラクターに変身する動画も、この機能を使えば、より高品質かつ簡単に制作できるでしょう。
まとめ
Veo 3のI2V、特に「Keyframe機能」は、私たちの映像制作の概念を根底から変えるポテンシャルを持っています。開始フレームの指定でキャラクターに命を吹き込み、開始・終了フレームの指定で壮大な物語を紡ぎ出す。これらの機能を活用することで、専門的な映像編集スキルがなくとも、誰もが頭の中のイメージを高品質な動画として具現化できる時代が到来しました。
クリエイター、マーケター、そして全ての表現者にとって、Veo 3はアイデアを形にするための最強のパートナーとなるでしょう。