採用・SNS・商品PR。中小企業の動画制作は外注し続けるべきか、自社で内製化すべきか。市場の外注相場とAI動画生成ツールの公式料金を実データで突き合わせ、ROIを試算しました。
年間コスト比較:外注 vs AI内製化(SNS動画を想定)
SNS運用代行(動画込み)の年額と、AI内製化スタックの年額。単位:万円
AI内製化スタックの年額は、外注(小規模・月20万円)のわずか約3.5%。年間で約231万円のコスト差が生まれます。
SUMMARY調査サマリー:内製化の損益分岐は「年8本」
結論から述べます。中小企業がSNS・商品PR・採用といった日常的な動画を年8本以上制作するなら、外注を続けるよりAIツールでの内製化が経済合理的になります。外注は「1本ごと」または「月額運用」で費用が積み上がるのに対し、AI内製化は月数千円の定額で本数に上限がないためです。
たとえば編集のみのSNS動画を外注すると1本あたり1万〜3万円。一方、主要AIツールを組み合わせた内製化スタックは年間2.3万〜8.4万円で運用できます。月数本の制作が当たり前になった今、多くの中小企業はすでに損益分岐点を超えています。
PART 1外注コストの実態(国内市場相場)
まず、動画を外部に依頼した場合の費用を整理します。以下は国内の動画制作会社・マッチングプラットフォームが公表する相場です。
| 動画の種類 | 依頼先・条件 | 費用相場 |
|---|---|---|
| 会社紹介動画 | 撮影なし/編集中心 | 10万〜30万円 |
| 会社紹介動画 | 撮影あり(全工程) | 30万〜200万円 |
| 採用動画 | 社員インタビュー等を含む | 40万〜200万円 |
| 商品PR・SNS動画(編集のみ) | フリーランス/1本 | 5,000円〜5万円 |
| ショート動画(1分以下) | 制作会社/1本 | 8万〜50万円 |
| SNS運用代行(動画込み) | 制作会社/月額 | 月20万〜50万円 |
※ 出典 [1]〜[5]。地域差があり、東京の運用代行平均は約45万円/月、全国平均は約30万円/月。
ポイント 外注費用は「単発で高額」か「月額で継続発生」のどちらか。動画を作るほど、運用を続けるほど、コストは線形に増え続けます。これが内製化との決定的な差です。
PART 2AI内製化コストの実態(公式料金)
次に、自社で動画を作るためのAIツール料金を見ます。以下は主要ツールの公式料金プラン(2026年6月時点)。中小企業のエントリー〜実用ラインに該当する下位〜中位プランを中心に掲載します。
| ツール | 用途 | 月額(USD) | 円換算(参考) |
|---|---|---|---|
| Runway | 動画生成・編集(1契約でVeo/Kling等も利用可) | $12〜$28 | 約1,920〜4,470円 |
| Google AI Pro | Veo 3.1 Lite等の動画生成 | $19.99 | 約3,190円 |
| Kling AI | 高品質な動画生成 | $6.99〜$25.99 | 約1,120〜4,150円 |
| HeyGen | AIアバター・解説/採用動画 | $29(年額$24) | 約3,840〜4,630円 |
| Synthesia | AIアバター・研修/商品説明動画 | $18(年額)〜$29 | 約2,880〜4,630円 |
中小企業向け「内製化スタック」モデル
1つのツールで全てを賄う必要はありません。目的別に2つ前後を組み合わせるのが現実的です。
| 構成 | 組み合わせ例 | 月額 | 年額 |
|---|---|---|---|
| 最小スタート | Runway Standard 単体 | 約1,920円 | 約2.3万円 |
| 実用バランス型 | Google AI Pro + HeyGen(年額) | 約7,000円 | 約8.4万円 |
| 本格内製化 | Runway Pro + HeyGen Creator | 約9,100円 | 約10.9万円 |
いずれもペルソナの予算ライン「月2万円以内」に十分収まります。
PART 3ROI試算:3つの業務シナリオ
外注相場とAI内製化コストを、中小企業に頻出する3シナリオで突き合わせます。内製化スタックは「実用バランス型(年8.4万円)」を基準としました。
シナリオA:採用動画を1本作る
| 方法 | コスト | 備考 |
|---|---|---|
| 外注 | 40万〜200万円 | 1本ごとに発生 |
| AI内製化 | 年8.4万円 | 本数無制限。AIアバターで社員出演なしも可 |
採用動画を1本作るだけで、内製化の年間コストを回収できます。2本目以降の追加コストは実質ゼロ。
シナリオB:SNS動画を運用する(月4本)
| 方法 | 年間コスト | 備考 |
|---|---|---|
| 外注(運用代行・動画込み) | 240万〜360万円 | 月20〜30万円 |
| 外注(編集のみ・月4本) | 48万〜144万円 | 1本1万〜3万円 |
| AI内製化 | 8.4万円 | 本数を増やしても定額 |
運用代行と比べ年間約231万〜352万円、編集のみの外注と比べても年間約40万〜136万円の削減です。
シナリオC:商品PR動画を量産する(月8本)
| 方法 | 年間コスト |
|---|---|
| 外注(1本5,000円〜・月8本) | 48万〜480万円 |
| AI内製化 | 8.4万円 |
本数が増えるほど差は拡大します。AI内製化は制作量に対してコストが増えないため、量産前提のEC・SNS運用と相性が良いのです。
損益分岐の目安
内製化スタック(年8.4万円)÷ SNS編集の外注単価(1本約1万円)= 約8.4本。つまり年8本以上動画を作るなら、内製化のほうが安い。月1本ペースでも十分に超える水準です。
PART 4内製化を始める3ステップ
「AIは難しそう」という不安は、最初の1本を作れば解消します。非エンジニアでも、テキストを入力するだけで動画が生成される時代です。
STEP 1 無料プランで1本作ってみる
多くのツールに無料枠があります。まず0円で、自社商品の紹介動画を1本生成してみましょう。所要時間は数十分です。
STEP 2 目的に合う2ツールに絞る
動画生成(Runway/Veo/Kling)+ アバター解説(HeyGen/Synthesia)の2軸で十分。月数千円のスタックを組みます。
STEP 3 業務ルーティンに組み込む
商品PR・採用・SNSの3用途でテンプレート化して回します。1本目より2本目、2本目より3本目が速くなります。
SOURCE調査概要・出典
発行:ReeX Japan(moodime.com)/発行日:2026年6月2日/為替前提:1USD=159.69円。円換算は参考値です。AIツール料金はクレジット制等により実利用本数が変動します。最新情報は各公式サイトでご確認ください。本レポートは引用・リンクを歓迎します(出典として moodime.com を明記してください)。
[1] 動画幹事「会社紹介動画の費用と料金相場」douga-kanji.com/[2] CYANd Inc.「動画編集の外注費用 相場」cyand.co.jp/[3] VIDEO SQUARE(Crevo)「採用動画の料金・費用相場」crevo.jp/[4] influfect「SNS運用代行の費用相場 2025」influfect.com/[5] Web幹事「SNS運用代行の費用相場」web-kanji.com/[6] Runway 公式料金 runwayml.com/pricing/[7] Google One・Gemini 公式 gemini.google/[8] Kling AI 公式 klingai.com/[9] HeyGen 公式料金 heygen.com/pricing/[10] Synthesia 公式料金 synthesia.io/pricing
AIツールの仕様・料金・機能は頻繁に変更されます。最新情報は各ツールの公式サイトをご確認ください。
